両国散歩
 
案内板



 両国最強の「ちゃんこ屋」特集





絶品と言われた友綱部屋の味に、工夫を重ねて生まれたちゃんこ。
ちゃんこ・割烹 巴潟(ともえがた)

双葉山時代の名力士、”弾丸“と異名を取った巴潟が、年寄引退後、友綱部屋跡に開いたのが、ちゃんこ巴潟だ。「昔、友綱部屋のソップ炊きは、相撲界では『絶品』と言われたんですよ」と語るご主人の工藤建次さんは、その息子さんである。「ただ、小さな鍋であの味を出すのは無理で、オヤジからも『部屋のソップは絶対に店に出すな』と言われました」。そこで修業先のちゃんこ屋で味を研究し、さらに工夫を重ねた末に生まれたのが4つのちゃんこ。それぞれに味わいがあるが、毎日50キロのイワシから手作りされるつみれが人気だ。

ソップ炊きの「太刀山」(たちやま)、いわしつみれ入りの塩味「国見山」(くにみやま)、魚介類をポン酢で食べる「矢筈山」(やはずやま)、味噌味の寄せ鍋風「巴潟」(ともえがた)(すべて1人前2800円)と4つの味を選べる。
店主・工藤健次さん
具に合った何種類もの鶏ガラやカツオダシを、毎日30キロ使ってダシをとってます。
●両国2丁目17-6 03-3632-5600
営業時間/11:30〜22:00 年末年始と旧盆のみ休み

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「ちゃんこ屋らしくない」おしゃれな店の味は本格ソップ炊き 。
ちゃんこ 照国

両国駅西口からほど近い、真新しいビルの1階にある「照国」。「ちゃんこ屋らしくない店を目指した」というように、店内は明るくモダンな雰囲気。「掘り座敷になっているんで、女性のお客さまからも好評です」と、板長を務める佐々木雅章さん。元幕下の大照山という力士だったそうだ。おしゃれで女性に人気、となると味を疑う向きもあるかもしれないが、ソップ炊き一本に絞ったちゃんこは、地鶏の旨味を活かした正統派。「焼き鳥にしても、脂がたれてこない。あっさりしてるから、女性もたくさん召し上がります」。

ちゃんこはソップ炊き1種類で、1人前2800円。鶏肉を鴨肉に代えた「鴨ちゃんこ」は3500円。鮎がまるごと1匹入った鮎骨酒1500円も人気。
板長・佐々木雅章さん
ウチはいい地鶏を使ってます。串焼きも脂っぽくなくて
旨いですよ。
●両国1丁目17-6 03-3631-1356
営業時間/17:00〜23:00(ラストオーダー22:00)
◎土・日・祝日は12:00〜22:00 年末年始とお盆のみ休

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相撲部屋直伝のちゃんこは、鶏ガラのダシ。自家製つくねが人気。
割烹ちゃんこ 大内

「大内」は、伝説の大型力士・大内山が開いた店だ。現在は長男の大内明さん(38)が先代の味を守っている。「ウチのは、オヤジがいた時津風部屋のちゃんこです。私自身、子供の頃からしじゅう出入りしているうちに自然に覚えた味です」。だしは鶏ガラを使ったコクのある『ソップ炊き』。具は新鮮な鳥肉を中心に、数種類の野菜を加えたものだ。人気は、鳥のつみれ。ほおばると、なめらかな食感とショウガの風味が口に広がる。おや、と思わせるのは、たっぷりのキャベツ。白菜にはない甘味が、だしに旨味を加えるのである。

ソップ炊き1人前2000円。豚肉のみそ炊き1600円、魚や豚のちり鍋1600〜2000円もある。夜のコースは4500円から
店主・大内明さん
ダシが好評で、なかには日本酒のお湯割りに使うお客様
もいます。
●両国2丁目9ー6 03ー3631ー8747
営業時間/17:00〜22:00(ランチ11:30〜13:30あり。昼の鍋は要予約) 日曜・祝日休(本場所中は営業)

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幻の銘酒にも自信あり。割烹料理屋のちゃんこはゴマ味噌風味。
ちゃんこ 友路

店の前に「地酒」の暖簾。こじんまりとした座敷。まるで小料理屋のような風情だ。「もともと割烹料理屋でしたので、ちゃんこ以外の和食メニューにも自信があります」と、語るのは、野口雅裕さん(25)。3年前、赤坂の割烹料理店で修行の後、二代目を継いだ。現在は、お母さんと新婚の可愛い奥さんの三人でお店を切り盛りしている。ちゃんこは、ゴマ味噌風味とポン酢(水炊)の2種類。オリジナルのふぐちゃんこも人気。野口さん自身が吟味した全国の銘酒が味わえるのもうれしい。越乃景虎、福扇(共に新潟の地酒)がお薦め。

ゴマ味噌ちゃんこ、ポン酢ちゃんこ(水炊)各1人前2600円、ふぐちゃんこ1人前3600円。このほか刺身(800円〜)、焼き物、肴なども豊富。
店主・野口雅裕さん
私が蔵元から買い付けた幻の地酒もあります。ぜひ試してみて下さい。
●両国3丁目24-4 03-3631-4889
営業時間/17:00〜23:00(22:30ラストオーダー)
日曜・祝日休(12月と本場所中は営業)

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本物の土俵を囲み、相撲部屋気分でちゃんこを味わう。
割烹 吉葉

足を踏み入れるとそこには、土俵がある。今にも稽古が始まりそうな雰囲気だ。吉葉は、かつて『吉葉御殿』と呼ばれた宮城野部屋の建物を、土俵も残してそのまま使った店だ。ちゃんこは、具によって3種類。吉葉鍋の場合で、エビ、ホタテ、サワラ、鰯つみれ、豚肉、野菜類など計17品目が楽しめる。しょうゆ味と味噌味が好みに応じて選べる。また築地の魚問屋が経営している店だけあって、刺身や焼きものも定評あるところだ。雪駄を履けば土俵に降りられる。なお、土俵脇の席は予約不可。どうしてもここで、という人は開店直後に。

ちゃんこ鍋1人前1500円、吉葉鍋1700円、みそ吉葉鍋1700円、特製力士鍋2000円。新鮮な魚も人気で、大漁船盛15000円は宴会でも大好評。
店主・小林正章さん
予約なしのお客様の席も、毎日必ず用意してます。
●横網2丁目14-5 03-3623-4480
営業時間/17:00〜22:00(20:50ラストオーダー) 日曜・祝日休

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あの寺尾関も顔を出す、女性に圧倒的人気の店。
相撲茶屋 寺尾

井筒3兄弟と呼ばれた寺尾、逆鉾、鶴嶺山。その長男、鶴嶺山の福薗好政さんが、平成3年に開いたお店だ。「相撲をやめたあと、福薗さんが日本中の鍋物の店を食べ歩いて研究したちゃんこです」と語ってくれたのは、板長の永井昭仁さん。自身も寺尾関や逆鉾関の大ファンだったそうだ。「今も寺尾関がときどき来てくれますが、そうすると店内が大騒ぎになっちゃうんです」と苦笑する。女性客が多いが、小さくカットされた食べやすい具や、いくらでも食べられるあっさりとした味は、確かに『現代のちゃんこ』を感じさせる新鮮な旨さだ。

ちゃんこ鍋はしょうゆ味、みそ味、ポン酢味があって各1人前2000円。気に入った具は、「とっぴん具」として追加も可能。他にはない若鶏の手羽先600円はファンが多い。
板長・永井昭仁さん
いいイワシを苦労して揃えて作ったつみれ、
ぜひ食べてください。
●石原2丁目11-2 03-3626-7541
営業時間/17:00〜22:00(20:30ラストオーダー)
◎予約すれば昼も可月曜休(本場所中は無休)

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「うまいものを、安く」の下町らしいちゃんこ店は、すっぽんやふぐも楽しめる。
ちゃんこ道場

本店のほか、両国駅前に1店、お隣の錦糸町駅前にも1軒、寿司とちゃんこを楽しめる店も1軒と、チェーン展開している「ちゃんこ道場」。だが、いわゆるチェーン店の味気なさとは対極の、本格ちゃんこの店だ。「ウチは相撲取りがやってる店ではありませんが、味と値段で勝負です」と社長の伊藤精一郎さんが語る通り、質、量ともに下町らしい充実ぶり。さらに本店はすっぽん1匹13000円で夏場に出すわ、駅前店はふぐコースを1人前6500円で食べられるわと、ちゃんこ以外の楽しみも多い。気軽に寄れる店だ。

写真の「特製横綱ちゃんこ」1人前2500円のほか、「鳥ちゃんこ」1800円、「つみれちゃんこ」各2000円。「鴨ちゃんこ」2300円。刺身や肴も安くてうまい。
社長・伊藤精一郎さん
毎日、築地へ出かけて、自分の目で魚を選んでます。安くても、味は最高です。
●本店/緑1丁目28-4 03-3635-5347
営業時間/11:30〜23:00(14:00〜17:00休憩)
年中無休

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一年中、いつでも気軽にちゃんこを楽しめる、両国の新名所。
ビヤステーション両国

両国駅の旧駅舎をそのまま利用して昨年8月に誕生した、日本最大級の広さを誇る屋内ビアホール。「江戸下町ビアホール」をコンセプトに江戸情緒あふれるメニューを揃えている。中でもやはりちゃんこは大人気だそうだ。「ここでは鍋の雰囲気を楽しんで欲しいのです」と支配人の西山友朗さん(41)。お客様のおひとりを仕切り役の『鍋奉行』に仕立て、イベント感覚でわいわい食べてもらおうという狙いだ。またぜひ試してほしいのが3種類の地ビール(480円〜)。「でも夜7時には売り切れてしまいます」とのことなので、お早めに。

塩味の「鳥ちゃんこ」、鶏と牛が入った「スタミナちゃんこ」各2500円。

昼は小鍋ちゃんこ定食1000円が人気。その他の料理も豊富にある。

支配人・西山友朗さん
イベントとして楽しんでいただける、参加型のちゃんこです。パーティも歓迎です。
●横網1丁目3-20 03-3623-5252(予約センター)
営業時間/11:30〜23:00(22:00ラストオーダー)
◎日曜祝日は22:00まで年中無休

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ちゃんこはソップ炊き一種類。両国随一の歴史と人気を誇る名店。
ちゃんこ 川崎

まだちゃんこが相撲取りだけの食べ物だった昭和12年から店を構える、両国一の歴史を持つちゃんこ屋である。「古さを自慢したって始まりません。ほかのお店さんも色々工夫をしてらっしゃる。だからウチも毎日工夫してます。昔の味を守ってるけれど、少しずつ変わってるはずです」と語る三代目のご主人、川崎正さん。気っ風のいい、生粋の両国人だ。そのちゃんこの味は、シンプルにして、この上なく豊か。唯一残念なのは、あまりの人気で予約すら取りにくいことだ。

ちゃんこ2700円と、3種類の焼き鳥が、メニューのほぼすべて。この潔さが、いい。コース4500円にすれば両方が楽しめる。
店主・川崎正さん
旨いかまずいかは、食べる人が決めること。私は納得いく仕事をするだけです。
●両国2丁目13-1 03-3631-2529
営業時間/17:00〜21:00 日祭休

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